小林佳世子准教授が「人は不快だから攻撃する」と指摘、SNS分断の根源を解説
【要約】ReHacQ 対談|人間行動の攻撃性起源・SNSの分断・社会制度設計
本記事は動画内容をもとに要点を整理した要約です。文脈は各タイムスタンプから原動画で確認できます。
概要
・人は「悪いやつ」認定で攻撃に快感を覚える脳の仕組みを持つ。
・SNSでの分断は、正義感ではなく「不快だから攻撃する」性質が背景にある。
・対立を乗り越えるには、共通体験による相手の「人間」としての認識が鍵となる。
・人間行動を理解した制度設計は、合理性だけでは動かない人間の心理を捉える。
・争いを避けるには、安心できる環境作りが重要である。
・危機的状況では、自由より支配的なリーダーを好む傾向がある。
・意見の違う人との相互理解には、対面での対話が不可欠である。
・人間を正しく知ることが、より良い社会制度設計に不可欠。
記事の概要(Q&A形式)
Q
人が他者を攻撃してしまうのはなぜか?
A
人は他者を「悪いやつ」と認定すると、相手への共感が消え、脳の報酬系が活性化して攻撃に快感を覚える仕組みがあるためだとされる。これは元々集団を守るために機能した脳の仕組みだと考えられている。
Q
SNSでの対立が激化する背景には何があるのか?
A
SNSでの対立が激化する背景には、人を「悪いやつ」と認定すると攻撃に快感を覚える脳の仕組みが関係している。人は正義感からではなく、不快だと感じることで他者を攻撃する性質があるためだとされる。
Q
対立する相手との関係を改善するにはどうすればよいか?
A
対立する相手を「人間」として認識することが重要だとされる。オンラインゲームや一緒に笑うなどの共通体験、特に脳の同期や共感が生まれやすい対面での対話や共同作業が、関係改善のきっかけになり得ると指摘されている。
Q
社会制度を設計する上で、人間の行動をどのように考慮すべきか?
A
報酬や罰則といった合理性だけでは人は動かないため、人間行動を深く理解した上での制度設計が必要だとされる。飲酒運転の厳罰化が引き逃げを増やした例のように、意図せぬ結果を招くこともあるため、損失回避の心理などを利用した設計が有効だと指摘されている。
Q
危機的な状況下で、人はどのようなリーダーを求める傾向があるか?
A
危機的な状況では、人は信頼されるリーダーよりも、支配的で強いリーダーを好む傾向があるとされる。安全が確保されるのであれば、自由が奪われることを受け入れる可能性も指摘されている。
「悪者認定」の脳メカニズムは、集団防衛本能が現代社会で暴走する危険性を示す。生成AIによる偽情報拡散は、SNS上で安易な「悪者認定」を加速させ、欧米の移民問題や中国の軍事演習に見られるような国際的対立を激化させる。過去の歴史が示す通り、危機下では支配的なリーダーが支持されやすい。
国内でも、インフレや技術競争への危機感が、若年層の保守政党支持や高市政権への期待を「自集団防衛」意識として刺激している可能性がある。しかし、「コブラ効果」が示すように、人間行動を無視した政策は逆効果だ。レアアース供給リスクや次世代技術競争が激化する中、安易な「悪者認定」に基づく排他的政策は、長期的な国益を損なう。対立解消には、共通体験を通じた「人間認識」の回復と、感情論に流されない冷静な制度設計が不可欠だ。