SMG 菅原経営株式会社 代表取締役『一流企業も所得移転で税務調査の対象に』
【解説】脱・税理士スガワラ|所得移転・租税回避・税務調査
本記事は動画内容をもとに要点を整理した要約です。文脈は各タイムスタンプから原動画で確認できます。
概要
一流企業も所得移転による税務調査の対象となる。
味の素は海外子会社との取引で150億円の申告漏れを指摘された。
これは租税回避行為とみなされ、所得の付け替えや債権放棄が否認された。
節税は手元資金を確保し、投資機会を増やすための経営の基本である。
記事の概要(Q&A形式)
Q
味の素が税務調査の対象となった主な理由は何ですか?
A
味の素は、海外子会社やひ孫会社との取引を通じて、税率の低い国に所得を移転し、グループ全体の税負担を軽減しようとしたため、国税庁から租税回避行為とみなされ、調査対象となったとされている。
Q
「所得移転」とは具体的にどのような行為を指すのですか?
A
所得移転とは、企業が税率の低い国にある関連会社に所得を移すことで、グループ全体の税負担を軽減しようとするスキームを指す。国税当局はこれを「所得の付け替え」と判断することがある。
Q
国税当局は味の素のどのような行為を「租税回避」と判断したのですか?
A
国税当局は、味の素がひ孫会社へ所得を移転した行為を「所得の付け替え」と判断した。また、ナイジェリア関連会社への債権放棄も、全額放棄の必要はないとして損失を認めなかったとされる。
Q
一流企業である味の素が、なぜ節税を行う必要があるのですか?
A
経営の基本として、税金は「社外への流出」であるため、手元に資金を残したいという理由がある。世界で戦う巨大企業にとっては、資金を確保し投資機会を増やすためとされている。
Q
味の素に指摘された申告漏れの金額はいくらで、今後の見通しはどうなっていますか?
A
合計150億円の申告漏れが指摘された。味の素は支配関係がないとして争う姿勢を示しているが、国税当局は裁判となれば95%の確率で勝訴すると見込んでいる。
味の素の事例は、多国籍企業による国際的な所得移転への監視強化を鮮明にする。これは、OECDが主導するBEPSプロジェクトや、GAFA等へのデジタル課税問題に端を発する「グローバルミニマム課税」導入の動きと軌を一にする。過去にはパナマ文書やパラダイス文書で明らかになったタックスヘイブン利用など、類似事例は枚挙にいとまがない。企業側には、量子コンピュータやAIなど次世代技術開発競争の激化、インフレ下の資金確保といった経済的背景から、手元資金を最大化したい狙いがある。しかし、税収過去最大を記録する中で、各国政府は公平な課税を追求する姿勢を強めており、今後も企業と当局の攻防は続くだろう。